この記事のまとめ
- スキルは、仕事のやり方をまとめて保存しておく「マニュアル」。一度作れば、毎回説明しなくても同じやり方で作業してくれる
- 無料プランを含むすべてのプランで使える。設定で「コード実行とファイル作成」をオンにするのが条件
- 作り方はかんたん。チャットで「〇〇のスキルを作りたい」と頼めば、Claudeが作ってくれる
- このサイトも、運営ルールとXの投稿ルールの2つのスキルで回しています
この記事の内容は、2026年10月23日にAnthropicの公式ヘルプと公式ブログで確認したものです。画面の名前や場所は変わることがあります。出典は各項目の下と記事の最後に付けています。
「Claudeのスキルが便利」という投稿をXやYouTubeでよく見かけます。でも、「結局なにができるの?」「プロジェクトと何が違うの?」と、ピンとこない人も多いと思います。僕もそうでした。
この記事では、プログラミング経験ゼロの僕が、スキルを「仕事のマニュアル」にたとえて説明します。実際にこのサイトでどう使っているかも紹介します。
この記事は、Claudeの機能を1つずつ、初心者向けに深掘りするシリーズ「Claude機能図鑑」の1本目です。
スキルを、ひとことで言うと
スキルは、「この仕事は、このやり方でやってね」をまとめて保存しておける機能です。
ふだんClaudeに何か頼むときは、そのつど「こういう形で」「ここに気をつけて」と説明しますよね。スキルを作っておくと、その説明を毎回しなくても、Claudeが自分でマニュアルを開いて、同じやり方で作業してくれます。
たとえるなら「新人さんに渡す仕事のマニュアル」

会社の新人さんで考えてみると…
とても優秀だけど、あなたの会社のやり方はまだ知らない新人さんがいるとします。毎回「報告書はこの形で」「数字はここを見て」と口で説明するのは大変です。
そこで、仕事ごとのマニュアルを本棚に並べておきます。新人さんは、ふだんは本棚の背表紙(タイトル)だけを見ていて、報告書を頼まれたら「報告書のマニュアル」だけを取り出して読みます。
Claudeのスキルは、まさにこの本棚です。Claude(新人さん)、スキル(マニュアル)、スキルの名前と説明(背表紙)、という関係です。
この「背表紙だけ先に見る」仕組みがポイントです。公式ブログによると、Claudeは最初にスキルの名前と説明(ごく短い情報)だけを読み、今の作業に関係があると判断したときにだけ中身を読み込みます。そのため、スキルをたくさん入れても、会話の量を圧迫しにくい作りになっています。
出典:Skills explained(Claude公式ブログ、2026年3月5日)
こんなときに使うと便利
スキルが向いているのは、「同じ種類の作業を、何度もくり返すとき」です。具体的な例を3つ挙げます。
例1:毎月の報告書づくり
毎月「見出しはこの順で」「数字は前月と比べて」「最後に一言まとめを」と説明し直す。説明を忘れると、形がバラバラになる
「今月の報告書を作って」とデータを渡すだけ。毎月同じ形で出てくる
例2:ブログやSNSの文章
「です・ます調で」「専門用語は言いかえて」「ハッシュタグは2個まで」と毎回伝える
「この記事の告知文を作って」だけで、自分のルールどおりの文章になる
例3:Excel・Word・PowerPointの作成
じつは、Claudeには最初からAnthropicが用意したスキルが入っています。公式ヘルプで紹介されているのは、Excel(表計算)、Word(文書)、PowerPoint(スライド)、PDFを作ったり加工したりするスキルです。「表にしてExcelで出して」のように頼むと、Claudeが必要に応じてこうしたスキルを使います。
出典:Use Skills in Claude(Claudeヘルプセンター)
PRスライド作りに特化したAIもあります
ClaudeでもPowerPointのファイルは作れますが、「スライドの見た目まで整えてほしい」なら、スライド作りに特化したAIサービスもあります。
MiriCanvasは、テーマを入力するか、手元の資料をアップロードするだけで、スライドの構成とデザインを自動で作ってくれるサービスです。公式の紹介では、作ったスライドはそのまま編集でき、PowerPoint形式でダウンロードもできるとのこと。僕はまだ使っていないので、気になる人は無料の会員登録から試してみてください。
使えるプランと条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使えるプラン | 無料・Pro・Max・Team・Enterprise(すべてのプラン) |
| 必要な設定 | 「コード実行とファイル作成」をオンにする |
| 料金 | スキル自体に追加料金はなし(使った分は、ふだんの使える量から減る) |
| 日本で使えるか | 使える(僕はProプランで使っています) |
| 使える場所 | Claudeのチャット(ブラウザ・アプリ)、Claude Code など |
TeamとEnterpriseでは、管理者がスキルの作成を止めている場合があります。会社のアカウントで見当たらないときは、管理者に確認してください。
出典:Use Skills in Claude(Claudeヘルプセンター)。使える量のしくみはClaude無料版の制限で解説しています。
スキルの始め方(作り方)
スキルの作り方は2つあります。初心者におすすめなのは、Claudeに会話で作ってもらう方法です。ファイルを自分で書く必要はありません。
ステップ1:設定をオンにする
- Claudeの「設定(Settings)」を開く
- 「機能(Capabilities)」を開く
- 「コード実行とファイル作成(Code execution and file creation)」をオンにする
ステップ2:チャットで「スキルを作りたい」と頼む
新しいチャットを開き、作りたいスキルを説明します。見本になる文章やテンプレートがあれば、一緒に添付すると精度が上がります。たとえば、こんなふうに送ります。
毎月の売上報告を作るスキルを作りたいです。見出しは「今月の結果」「前月との比較」「来月やること」の順にしてください。数字は前月と比べて増減を書き、最後に3行のまとめを付けます。見本の報告書を添付します。わからないことがあれば質問してください。
ステップ3:Claudeの質問に答える
公式の手順では、Claudeが「どんな場面で使うか」「どうなっていれば良い出来か」を質問してくるので、それに答えます。公式は、あなたの仕事を知らない、できる人でも同じようにできるくらい具体的に伝えるのがコツだとしています。
ステップ4:できたスキルを保存する
Claudeがスキルのファイル(中身は「SKILL.md」という説明書)を作ってくれるので、表示された案内に沿って保存します。保存したスキルは、「カスタマイズ(Customize)」の中の「スキル(Skills)」で一覧を見たり、オン・オフを切りかえたりできます。
ステップ5:試してみる
スキルが担当する作業を頼んでみます。Claudeがスキルを使うと、考えている途中の表示に「Using(スキル名)」のように出ます。思いどおりにならなければ、「さっきのスキルを、〇〇するように直して」と頼めば直してくれます。
出典:How to create a skill with Claude through conversation(Claude公式)、Use Skills in Claude(Claudeヘルプセンター)。画面の名前は英語版の公式ヘルプをもとにしています。日本語の画面では表示が少し違うことがあります。
もう1つの方法は、スキルのフォルダーをZIPファイルにして、「カスタマイズ」→「スキル」の「+」から「スキルを作成(Create skill)」→「スキルをアップロード(Upload a skill)」で読み込む方法です。人からもらったスキルを入れるときに使います。
僕はこう使っている
このサイトは、2つのスキルで回しています。
| スキル | 中に書いてあること(一部) |
|---|---|
| サイト運営のルール | サイトの基本情報、記事の書き方(料金や機能は公式で確かめて確認日を入れる、など)、画像のサイズ、公開の手順 |
| Xの投稿ルール | 投稿文の文字数の数え方、ハッシュタグは1〜2個まで、投稿の種類 |
いちばん助かっているのは、新しいチャットを始めても、説明し直さずに続きから作業できることです。たとえばこの記事も、Claudeが運営ルールのスキルを読み込んでから書いています。確認日の入れ方や画像のサイズを、僕が説明し直す必要はありませんでした。
スキルは、Claudeと話して作ってもらいました。僕がやったのは、Claudeが出した案を確認して保存することだけです。ルールが変わったときも、「スキルにこれを追加して」と頼めば、Claudeが直した案を出してくれます。
組み合わせると、もっと便利
スキルは「やり方」を覚えておく機能です。ほかの機能と組み合わせると、さらに手間が減ります。
- スキル+プロジェクト:プロジェクトに資料(何を知っておくか)を入れ、スキルに手順(どうやるか)を入れる。公式ブログも、この2つは役割が違うと説明しています
- スキル+コネクタ:Googleドライブなどの外のサービスにつなぐ「コネクタ」でデータを読ませ、スキルでまとめ方を決めておく。毎週の集計などが一言で済むようになります
具体的な組み合わせ方は、このシリーズの「実践編」で、実際にやった手順つきで紹介する予定です。
SNSでよく見る勘違い
| よくある勘違い | 実際は |
|---|---|
| スキルはエンジニア向け。Claude Codeでしか使えない | ふだんのチャットでも使える。無料プランでも使える |
| スキルを入れすぎると重くなる | ふだんは名前と説明しか読まないので、たくさん入れても影響が小さい作り |
| ネットで配られているスキルを入れれば、すぐプロ並み | 中身を確かめずに入れるのは危険。公式は「信頼できる作り手のものだけ入れて」と注意している |
| スキルは、よく使う指示文(プロンプト)を集めたもの | 文章の指示に加えて、見本ファイルや、毎回同じ動きをさせるためのプログラムも入れられる |
3つめは特に大事です。公式ヘルプでは、スキルには外部のプログラムが含まれることがあり、悪意のあるスキルだと情報が外に送られるおそれがある、と説明されています。人からもらったスキルは、中身(特にプログラムや、外部につなぐ指示)を確かめてから入れましょう。自分で作るなら、この心配はありません。
出典:Use Skills in Claude(Claudeヘルプセンター)
プロジェクト・メモリとの違い
「覚えておく」系の機能は、ほかにもあります。違いを表にまとめました。
| 機能 | 覚えるもの | たとえ | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| スキル | 仕事のやり方・手順 | 仕事のマニュアル | くり返す作業を毎回同じ品質で |
| プロジェクト | 資料と背景の情報 | 案件ごとのクリアファイル | 1つのテーマについて続けて相談する |
| メモリ | あなた自身のこと(仕事や好み) | 行きつけのお店の「いつもの」 | どのチャットでも自分に合わせた返事をもらう |
| ふだんの指示 | その場かぎり | 口頭での指示 | 1回だけの頼みごと |
迷ったら、「同じ説明を3回したら、スキルにする」くらいの感覚で大丈夫です。公式ブログも、同じ指示を何度もくり返しているならスキルにするのがよい、としています。
出典:Skills explained(Claude公式ブログ)。プロジェクトとメモリは、このシリーズで1本ずつくわしく紹介する予定です。
まとめ
Claudeのスキルは、仕事のやり方をまとめておく「マニュアル」です。一度作っておけば、毎回説明しなくても、同じやり方で作業してくれます。無料プランでも使え、作り方も「スキルを作りたい」とチャットで頼むだけです。
まずは、いつも同じ説明をしている作業を1つ選んで、スキルにしてみてください。頼み方そのもののコツはClaudeにうまく頼むコツ8つに、まだClaudeを使っていない人はClaudeのはじめ方にまとめています。

